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ボロボロの連棟長屋を相続したらどうする?解体・売却・相続放棄の判断基準

ボロボロの連棟長屋を相続したらどうする?解体・売却・相続放棄の判断基準

都市部に残る「ボロボロの連棟長屋」の相続問題

親から不動産を相続したものの、それが昭和期に建てられた老朽化した連棟長屋(テラスハウス)だった場合、相続人は非常に深刻な悩みを抱えることになります

特に大阪市や東京都内の下町エリアなどの都市部において、こうした連棟長屋の相続が深刻なトラブルを引き起こしています。総務省の「令和5年住宅・土地統計調査」によれば、全国の空き家は約900万戸に達していますが、その中でも長屋建の空き家は老朽化が進んでいる割合が高く、放置状態にある物件が多数存在します。(参考データ出典:総務省「令和5年住宅・土地統計調査 住宅数概数集計結果」 https://www.stat.go.jp/data/jyutaku/2023/pdf/g_kekka.pdf

単独での再建築が物理的・権利的に困難であり、不動産市場における売却価値が著しく低いのが連棟長屋の特徴です。本記事では、築古の長屋を相続し、修繕も解体もできず途方に暮れるユーザーへ向けて、長屋特有の隣地トラブルや、放置することの税金リスク、そして「解体・売却・相続放棄」の判断基準を行政書士が解説します

なぜ連棟長屋の相続はトラブルになるのか?(切り離し解体の壁)

一戸建ての空き家であれば、自分の判断と費用で建物を解体し、更地にして売却することができます。しかし、連棟長屋の場合はそうはいきません。

長屋は、隣の家と「壁・屋根・基礎」を共有しているひとつの大きな建物です。自分の区画だけがボロボロに老朽化しているからといって、勝手に解体することはできません。切り離し解体の難しさや、長屋特有の隣地トラブルが存在するからです

  • 切り離し解体の難しさ:自分の区画を解体するためには、壁を共有している隣人の同意が必須です。
  • 莫大な修繕費用の負担:切り離した際、むき出しになった隣の家の壁(外壁)を補修・補強する費用は、原則として解体する側が負担しなければならず、解体費用が数百万円規模に跳ね上がります。
  • 隣地トラブル:「解体工事の振動で家が傾いた」「雨漏りするようになった」といったクレームに発展しやすく、隣人との関係が悪化するリスクが極めて高いです。

放置は厳禁!「特定空き家」指定で固定資産税が約4倍に

「解体も売却も難しいなら、とりあえずそのまま放置しておこう」と考えるのは非常に危険です。

空き家対策特別措置法の改正により、倒壊の危険がある老朽化した建物を放置し続けると、自治体から「特定空き家」や「管理不全空き家」の指定を受ける可能性があります。指定を受けると、土地の固定資産税の優遇措置(住宅用地特例)が解除され、特定空き家指定による税金4倍リスクが発生します

(参考データ出典:国土交通省「空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報」 https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk3_000035.html

修繕も解体もできない不動産に対して、毎年高額な税金を支払い続けなければならないという「負のループ」に陥ってしまう前に、早急に方向性を決断する必要があります。

解体・売却・相続放棄の判断基準

では、ボロボロの連棟長屋を相続した場合、どのような選択肢があるのでしょうか。それぞれの判断基準を整理しました。

1. 相続放棄を選ぶべきケース

不動産の完全なる負債化に直面した場合、まず検討すべきは「相続放棄」です

  • 判断基準:預貯金などのプラスの財産よりも、解体費用や滞納している固定資産税などのマイナス面が明らかに上回る場合。また、他の相続人と関わりたくない場合。
  • 注意点:相続放棄は「自分が相続人になったと知った日から3ヶ月以内」に家庭裁判所へ申し立てる必要があります。ただし、相続放棄をしても、次の管理者が決まるまでは建物の管理責任が残る可能性がある点には注意が必要です。

2. 訳あり物件専門業者への「売却(買取)」を選ぶケース

一般の不動産市場では買い手がつかない長屋でも、投資用として買い取ってくれる専門業者が存在します。

  • 判断基準:プラスの財産(預貯金など)があるため相続放棄はできないが、長屋だけは手放したい場合。
  • 注意点:買取価格は「タダ同然(0円や数万円)」になることがほとんどです。しかし、将来の固定資産税や倒壊による損害賠償リスク(隣地トラブル)を手放せるため、価格にこだわらず「引き取ってもらえるだけマシ」と割り切る決断が求められます。

3. 隣人との交渉による「解体・同時売却」を選ぶケース

  • 判断基準:立地条件(駅近など)が良く、更地にすれば高く売れる見込みがある場合。
  • 注意点:隣人も老朽化に悩んでいる場合、「長屋の所有者全員で協力して、建物を一斉に解体し、まとまった大きな土地として売却する」という方法が最も高く売れます。ただし、全員の同意を取り付けるための粘り強い交渉が必要です。

特殊不動産の相続手続きは行政書士へ

長屋のように権利関係が複雑で、処分が難しい不動産を、とりあえず兄弟の共有名義(共有分割)にしてしまうのは非常に危険です。後世代で権利関係が身動き取れなくなる前に、単独所有とするための確実な遺産分割協議が不可欠です。

当事務所では、面倒な戸籍収集や遺産分割協議書の作成を迅速に行い、修繕も解体もできない長屋などの不動産であっても、過料を避けるための名義変更手続きをサポートします。また、手放すための最適な出口戦略について、信頼できる司法書士や不動産業者と連携しながらワンストップで解決へと導きます。ボロボロの長屋の相続でお悩みの方は、タイムリミット(3ヶ月)が来る前に、ぜひお早めにご相談ください。

FAQ(この記事によくある質問と回答)

Q. 長屋の自分の区画だけ、相続放棄することはできますか?

A. いいえ、特定の不動産(長屋)だけを選んで相続放棄することはできません。相続放棄をする場合は、亡くなった親の預貯金やその他の不動産など、すべての財産(プラスもマイナスも)を手放す必要があります。プラスの財産も受け取りたい場合は、相続した上で「専門業者への売却(買取)」などを模索することになります。

Q. 隣の家が長年空き家で、ボロボロになって自分の家の方に傾いてきています。隣の区画を勝手に解体してもいいですか?

A. 他人の所有物であるため、いかに危険な状態であっても勝手に解体することは法律上できません(器物損壊等の罪に問われる場合があります)。まずは自治体の空き家対策担当窓口に相談し、行政から所有者へ指導(特定空き家の指定など)を行ってもらうよう働きかけるのが第一歩です。

【大阪市旭区の暁行政書士事務所】

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