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お子様がいない方の遺言

世話になった甥・姪に全財産を相続させる遺言書の書き方【遺留分の注意点も解説】

世話になった甥・姪に全財産を相続させる遺言書の書き方【遺留分の注意点も解説】

急増する「おひとりさま」と甥・姪への財産承継

生涯未婚率の上昇や配偶者との死別などにより、おひとりさまで老後を迎える方が急増しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計によれば、2050年には全世帯の約44%が単独世帯(一人暮らし)になると予測されており、家族のあり方は大きく変化しています。(参考データ出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」 https://www.ipss.go.jp/

ご自身に子どもがいない場合、老後の病院への付き添いや介護、入院の手続きなど、身の回りの世話を特定の「甥(おい)」や「姪(めい)」に頼っているというケースは非常に多く見られます。「最後まで面倒を見てくれた甥・姪に、感謝の気持ちとして全財産を残したい」そうお考えになるのは自然なことですが、何の対策もせずに亡くなってしまうと、財産は法律のルール(法定相続)に従って、他の疎遠な兄弟姉妹やその子どもたちへ機械的に分配されてしまいます。本記事では、ご自身の意思を法的に担保し、特定の甥・姪へ全財産を確実に引き継ぐための遺言書の書き方を、相続専門の行政書士が詳しく解説します。

兄弟姉妹・甥姪には「遺留分」がない!遺言書の絶対的効力

「全財産を特定の甥に譲るという遺言書を書いたら、他の親族から不満が出てトラブルにならないか?」というご相談をよくいただきます。結論から申し上げますと、甥・姪へ財産を譲る場合、遺言書は極めて強力で絶対的な効力を発揮します。

その最大の理由は、「遺留分(いりゅうぶん)」の有無にあります。遺留分とは、一定の相続人に最低限保障された遺産の取り分のことです。配偶者や子ども、親にはこの遺留分が認められているため、たとえ「愛人に全財産を譲る」という遺言があっても、遺族は遺留分を請求して財産を取り戻す権利があります。

しかし、民法第1042条により、亡くなった方の「兄弟姉妹」およびその代襲相続人である「甥・姪」には、遺留分が認められていません。つまり、「全財産を、日頃から世話をしてくれている甥〇〇に譲る」という法的に有効な遺言書が1枚あれば、他の兄弟姉妹や甥姪は「自分にも権利があるはずだ」と口出し(遺留分侵害額請求)をすることはできません。争いを未然に防ぎ、ご自身の想いを完全に実現するためには、遺言書の作成が「必須条件」となります。

甥・姪に全財産を譲る遺言書の書き方と将来を見据えた注意点

実際に遺言書を作成する際、単純に「全財産を甥に譲る」と書くだけでは不十分です。将来の「予測不可能な事態」を見据え、確実に手続きを完了させるための実務的な設計が必要になります。

1. 万が一に備える「予備的遺言」の重要性

遺言書を書く際、絶対に想定しておかなければならないのが「財産を譲る予定の甥・姪が、自分(遺言者)より先に亡くなってしまう」あるいは「同時に亡くなってしまう」というリスクです。

もしも、遺言書に「甥〇〇に全財産を譲る」とだけ書いてあり、甥が先に亡くなってしまった場合、その遺言部分は法的に「無効」となってしまいます。甥の子どもに自動的に引き継がれるわけではなく、結果として、本来避けたかった「疎遠な兄弟姉妹たちによる遺産分割協議」が開始されてしまうのです。

これを防ぐための実務上の必須テクニックが「予備的遺言」です。「万が一、甥〇〇が遺言者より先に死亡した場合は、全財産を〇〇(甥の妻や子ども、あるいは慈善団体など)に遺贈する」という第二の選択肢をあらかじめ記載しておくことで、どのような順番で不幸が訪れても、ご自身の意思を確実に繋ぐことができます。

2. 甥・姪の負担を激減させる「遺言執行者」の指定

甥・姪へ財産を譲る遺言書において、予備的遺言と同様に欠かせないのが「遺言執行者(ゆいごんしっこうしゃ)」の指定です。

もしも、ご自身の死後、甥・姪が法定相続人ではない立場(遺贈)として財産を受け取ることになった場合、不動産の名義変更(所有権移転登記)は、原則として「不動産を受け取る甥・姪」と「他の法定相続人(疎遠な兄弟姉妹など)全員」が共同で申請しなければなりません。全財産を譲られた甥・姪が、他の親族全員に実印と印鑑証明書をもらって回るのは、精神的にも物理的にも極めて困難です。

これを解決するのが「遺言執行者」の存在です。遺言執行者が指定されていれば、不動産の名義変更や預金解約などの手続きにおいて、他の親族から実印や印鑑証明書をもらい集める必要がなくなります。

もちろん、法律上、遺言執行者には他の法定相続人に対して「遺言執行者に就任したこと」や「遺言の内容」「手続きの完了」を通知する義務があります。そのため、他の親族の存在を完全に無視して進められるわけではありませんし、円滑な手続きのためには親族の一定の理解があるに越したことはありません。しかし、行政書士などの第三者(専門家)が遺言執行者として間に入り、客観的な立場で粛々と通知や手続きを進めることで、甥・姪本人が直接親族の矢面に立ち、ハンコをお願いして回るという最大のストレスを回避できます。

3. 最も確実な「公正証書遺言」で作成する

ご自身で手書きする自筆証書遺言は、形式の不備で無効になるリスクや、紛失・改ざんのリスクがあります。大切な財産を確実に甥・姪に託すためには、公証役場で公証人が作成し、原本を保管してくれる「公正証書遺言」を利用することを強く推奨します。

遺言・相続のご相談は「暁行政書士事務所」へ

「自分の場合は『相続』と『遺贈』のどちらになるのか」「遺言執行者を誰に頼めばいいのか」など、遺言書の作成には法律の専門知識が不可欠です。

大阪市旭区、都島区、鶴見区、城東区を中心に地域密着で活動する暁(あかつき)行政書士事務所( https://aa-assist.com/ )では、ご相談者様の大切な想いを確実に形にするため、戸籍の収集から公正証書遺言の文案作成、そして将来の遺言執行までをワンストップでサポートいたします。

最後まで寄り添ってくれた甥御さんや姪御さんに、感謝の気持ちと共に「安心」という最大の贈り物を残すため、まずは当事務所の無料相談をご利用ください。複雑なご家族関係でも、専門家が最適な解決策をご提案いたします。

FAQ(この記事によくある質問と回答)

Q. 甥に全財産を遺贈した場合、相続税は高くなりますか?

A. はい、注意が必要です。配偶者や一親等の血族(親・子ども)以外の人が財産を相続または遺贈で受け取る場合、相続税額が「2割加算」されるというルールがあります。甥や姪は三親等の血族にあたるため、この2割加算の対象となります。基礎控除額(3,000万円+600万円×法定相続人の数)を超える財産がある場合は、納税資金の確保も踏まえた生前対策を検討しておく必要があります。

Q. すでに手書きで「全財産を甥に譲る」と遺言書を書いて仏壇にしまっていますが、これで大丈夫でしょうか?

A. 手書きの遺言書(自筆証書遺言)の場合、亡くなった後に家庭裁判所での「検認」という手続きを経なければ、銀行の解約や不動産の名義変更に使えません。この検認手続きには数ヶ月の時間がかかることもあり、甥御さんに多大な労力をかけさせてしまいます。確実性と手続きの負担軽減のため、今からでも「公正証書遺言」への作り直しをおすすめいたします。

【大阪市旭区の暁行政書士事務所】

当事務所では、相続や遺言書についてサポートを行っております。
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