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山林や農地・原野商法の土地は国庫帰属制度の対象になる?申請の注意点と却下事例

山林や農地・原野商法の土地は国庫帰属制度の対象になる?申請の注意点と却下事例

最も処分に困る「負動産」の相続問題

親からの相続で引き継いだものの、買い手がつかず、活用する予定もない土地。中でも、処分に最も困る「山林・農地」や、過去に親が購入した「原野商法の土地」は、維持費や税金がかかる「負動産」となりうる存在です。

  • 山林:手入れができず、倒木や土砂崩れで近隣に被害を与えた場合、所有者として損害賠償責任を問われるリスクがあります。
  • 農地:農地法の厳しい規制により、原則として農家(農業従事者)にしか売却できず、手放すハードルが極めて高い土地です。
  • 原野商法の土地:昭和から平成初期にかけて、「将来値上がりする」という根拠のない勧誘により買わされた無価値な土地(原野や山林)。現在でも「高値で買い取る」と見せかけた二次被害(測量詐欺など)が報告されています。(参考データ出典:独立行政法人 国民生活センター「より深刻に!『原野商法』の二次被害トラブル」等の注意喚起よりhttps://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20180125_1.html

こうした処分に困るニッチな土地を手放したいと願う方にとって、2023年にスタートした「相続土地国庫帰属制度」は最後の希望となる可能性があります。本記事では、これらの特殊な土地が制度の対象になるのか、そして審査の厳しさと却下事例について行政書士が詳しく解説します。

山林・農地・原野商法の土地も「国庫帰属制度」の対象になる!

結論から申し上げますと、山林や農地、原野商法の土地(地目が原野や山林のもの)であっても、相続や遺贈によって取得したものであれば、相続土地国庫帰属制度の対象になります

「こんな価値のない土地、国も引き取ってくれないだろう」と諦める必要はありません。現実に、法務省が公表している承認事例の中には、農地や山林が多数含まれています。

(参考データ出典:法務省「相続土地国庫帰属制度の統計」 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00579.html

しかし、対象になる(申請できる)ことと、実際に国が引き取ってくれる(承認される)ことは全く別です。これらの土地は、一般的な宅地に比べて国庫帰属の審査が非常に厳しくなる傾向にあります

要注意!審査の厳しさと「却下・不承認」になる事例

制度を利用するためには、法務局による書面審査と実地調査をクリアしなければなりません。国は「将来的に管理コストが膨大にかかる土地」や「近隣トラブルの火種がある土地」は引き取らないルールになっています。

山林・農地・原野商法の土地において、特に注意すべき却下要件(入り口で弾かれるもの)と不承認要件(審査で落とされるもの)の事例をご紹介します。

事例1:境界が分からない(境界不明確)による却下

山林や原野商法の土地で最も多いのが、「自分の土地がどこからどこまでなのか、境界が全く分からない」というケースです。

隣接する土地との境界が明らかでない土地は、国庫帰属の申請自体が却下されます。事前に隣地所有者と立ち会い、境界を確定させる(または境界標を設置する)作業が必要となりますが、原野商法の土地は隣地の所有者も不明であるケースが多く、極めて困難を極めます。

事例2:不法投棄(有体物の存在)による不承認

人里離れた山林や原野は、不法投棄のターゲットにされやすい場所です。

もしも、土地に、古い家電、廃タイヤ、産業廃棄物、放置車両などが残されている場合、「通常の管理を阻害する有体物がある」として不承認となります。国に引き渡す前に、所有者の費用負担でこれらをすべて撤去しなければなりません。

事例3:危険な崖や、近隣への倒木リスクによる不承認

勾配が30度以上かつ高さが5メートル以上の「危険な崖」が含まれており、土砂崩れ対策に多額の費用がかかる山林は不承認となります。

また、枯れ木や竹林が隣地へ越境しており、倒木によって隣の家屋や道路に被害を与える危険性が高い場合も、国はそのままでは引き取ってくれません。事前の伐採工事が必要になります。

専門家(行政書士)による事前調査と書類作成の重要性

このように、山林や農地・原野商法の土地は国庫帰属制度の対象になるものの、審査の厳しさは一般的な土地の比ではありません

「とりあえず申請してみよう」とご自身で見切り発車をしてしまうと、1筆あたり14,000円の審査手数料が無駄になるだけでなく、法務局とのやり取りで多大な時間と精神的労力を消耗してしまいます。

だからこそ、専門家による事前調査と書類作成の重要性が極めて高いのです。当事務所では、現地へ赴いての現況調査(境界標の有無や不法投棄の確認など)、法務局への事前相談、そして複雑な申請書類の作成までを行政書士が徹底的にサポートいたします。要件を満たさない場合の代替案(隣地への譲渡交渉など)も含め、負動産を手放すための最適な戦略をご提案します。

過去の原野商法などで長年お悩みの土地がある方は、ぜひ一度、当事務所の無料相談をご利用ください。

FAQ(この記事によくある質問と回答)

Q. 親が原野商法で買わされた土地があります。権利証はありますが、現地のどこにあるのか全く分かりません。申請できますか?

A. 現地の場所や境界が全く分からない状態では、「境界が明らかでない土地」として申請が却下されてしまいます。国庫帰属の申請を行う前に、法務局の公図や地積測量図を取得し、現地の特定と境界の確認(必要に応じて測量士等への依頼)を行うという非常に高いハードルを越える必要があります。まずは専門家へご相談ください。

Q. 農地を国庫帰属させる場合、農業委員会の許可は必要ですか?

A. いいえ、相続土地国庫帰属制度を利用して国に農地を引き渡す場合、通常の農地売買で必要となる「農業委員会の許可(農地法第3条許可等)」は不要です。ただし、農用地区域内にある優良な農地などの場合、引き渡し時に国へ納める「負担金」が面積に応じて高額(数十万円〜)に算定されるケースがあるため注意が必要です。

【大阪市旭区の暁行政書士事務所】

当事務所では、相続や遺言書についてサポートを行っております。
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