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お子様がいない方の遺言

子供がいない夫婦の相続は誰のもの?配偶者を守るために絶対必要な「遺言書」の書き方

子供がいない夫婦の相続は誰のもの?配偶者を守るために絶対必要な「遺言書」の書き方

「子供がいない=すべて配偶者のもの」は大きな誤解

「私たち夫婦には子供がいないから、万が一のことがあっても、財産はすべて配偶者(夫・妻)のものになるだろう」

もしも、あなたがそうお考えであれば、今すぐその認識を改める必要があります。実は、子供がいないご夫婦の相続において、この「思い込み」が残された配偶者を深刻なトラブルに巻き込むケースがあります。

厚生労働省の「国民生活基礎調査」によると、全世帯のうち「夫婦のみの世帯」は年々増加傾向にあり、現在では全体の20%以上を占める一般的な家族形態となっています。 (参考情報出典:厚生労働省「国民生活基礎調査(世帯数と世帯人員の状況)」 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/20-21.html

しかし、日本の法律(民法)は、子供がいない夫婦の相続において「配偶者が無条件で全財産をもらえる」とは定めていません。本記事では、遺言書がない場合に起きる「残された配偶者と兄弟姉妹による遺産分割協議」の問題と、愛する配偶者を守るための遺言書の書き方について、相続専門の行政書士が詳しく解説します。

子供がいない夫婦の相続、法定相続人は「兄弟姉妹」になる

遺言書を書き残さずに亡くなった場合、民法が定める「法定相続人」と「法定相続分(取り分の目安)」に従って遺産を分けることになります。

子供がいない夫婦で、片方が亡くなった場合(すでに亡くなった方の親も他界しているケースを想定)、法定相続人は以下のようになります。

  • 残された配偶者:遺産の「4分の3」
  • 亡くなった方の兄弟姉妹:遺産の「4分の1」

つまり、亡くなった夫(または妻)に兄弟姉妹がいる場合、配偶者だけでなく「兄弟姉妹」にも相続する権利(4分の1)が発生するのです。

問題:配偶者と「義理の兄弟姉妹」で行う遺産分割協議

遺言書がない場合、遺産の分け方を決めるためには、相続人全員による「遺産分割協議」を行い、全員の実印と印鑑証明書を揃える必要があります。これが、残された配偶者にとって最大のストレスとなります。

  • 疎遠な義理の兄弟への連絡:日頃から付き合いのない義理の兄弟姉妹に対し、「夫(妻)の遺産の手続きをしたいから、実印を押して印鑑証明書を送ってほしい」と頭を下げてお願いしなければなりません。
  • 財産の開示要求とハンコ代:「法定相続分の4分の1を現金で支払ってほしい」「ハンコを押すのだから、見返り(ハンコ代)をちょうだい」と要求されるケースが頻発します。
  • 預金の凍結と自宅の危機:兄弟姉妹の1人でも協議に反対したり、認知症で話し合いができなかったりすると、銀行口座の凍結解除や、自宅不動産の名義変更が一切できなくなります。最悪の場合、兄弟に現金を渡すために、長年住み慣れた自宅を売却せざるを得ないケースもあります。

解決策:兄弟姉妹には「遺留分」がない!遺言書の絶対的効力

このような問題を100%防ぐための最強のツールが「遺言書」です。

法律上、配偶者や子供、親には「遺留分(いりゅうぶん:遺言書でも奪うことのできない最低限の取り分)」が保障されています。しかし、兄弟姉妹にはこの「遺留分」が一切認められていません(民法第1042条)。

つまり、生前に「全財産を妻(夫)に相続させる」という遺言書をたった1枚書いておくだけで、兄弟姉妹は遺産に対して1円も口出し(遺留分侵害額請求)ができなくなります。子供がいないご夫婦にとって、遺言書は単なる「希望」を書く紙ではなく、配偶者の生活と精神を守る「絶対的なお守り」なのです。

配偶者を守る「遺言書の書き方」のポイント

遺産分割トラブルを防ぐための遺言書は、書き方と形式が重要です。

  1. 「全財産を相続させる」と明確に記載する:預金や不動産の記載漏れを防ぐため、「遺言者は、その有する一切の財産を、妻〇〇に相続させる」と包括的に記載します。
  2. 「遺言執行者」に配偶者または専門家を指定する:死後の銀行手続きや不動産の名義変更を単独で行えるよう、遺言書の中で「遺言執行者」を指定しておくことが必須です。
  3. 「公正証書遺言」で作成する:自筆で書く遺言書(自筆証書遺言)は、紛失リスクや形式不備による無効リスクがあるだけでなく、死後に家庭裁判所での「検認」という1〜2ヶ月かかる手続きが必要になります。公証役場で作成する「公正証書遺言」であれば、検認不要で死後すぐに手続きを進めることができます。

子供がいないご夫婦の相続対策は当事務所へご相談ください

「うちは財産が多くないから大丈夫」「兄弟とは仲が良いから揉めないはず」という油断が、相続トラブルの最大の引き金となります。残される配偶者に、お金の苦労と精神的な負担(義理の兄弟との交渉)を強いることのないよう、元気なうちに対策をしておくことが最高の愛情表現です。

当事務所では、子供がいないご夫婦からの相続・遺言に関するご相談を多数承っております。戸籍の収集から財産調査、そして最も安全で確実な「公正証書遺言」の作成サポートから遺言執行まで、行政書士がワンストップで伴走いたします。夫婦の財産をしっかり守り抜くために、まずは当事務所の無料相談をお気軽にご利用ください。

FAQ(この記事によくある質問と回答)

Q. 夫の兄弟姉妹の中に、すでに亡くなっている人がいる場合はどうなりますか?

A. 亡くなった夫の兄弟姉妹がすでに死亡している場合、その兄弟姉妹の子供(夫から見て「甥・姪」)が代わって相続人となります(代襲相続)。この場合、残された妻は、ほとんど面識のない甥や姪を相手に遺産分割協議を行わなければならず、手続きの難易度と心理的負担がさらに跳ね上がります。遺言書の必要性がより一層高まるケースと言えます。

Q. 「全財産を妻に相続させる」という遺言書を書いた後、もしも、妻が私(夫)より先に亡くなってしまったら、遺言書はどうなりますか?

A. 遺言書で財産を譲る相手(妻)が、遺言者(夫)よりも先に亡くなった場合、その部分の遺言は「無効」となります。これを防ぐために、遺言書には「万が一、妻が私より先、または同時に死亡した場合は、全財産を〇〇(お世話になった人や慈善団体など)に遺贈する」という「予備的遺言」を記載しておくのが実務上のセオリーです。

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