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相続手続き

血の繋がらない「連れ子」に財産を相続させるには?養子縁組と遺言書のメリット・デメリット

血の繋がらない「連れ子」に財産を相続させるには?養子縁組と遺言書のメリット・デメリット

増加する再婚家庭と「連れ子」への想い

現代社会において、離婚や再婚はライフスタイルの一つの形として定着しています。厚生労働省の「人口動態統計」によると、近年の婚姻件数のうち、夫婦のいずれか一方、または双方が再婚である割合は約26%(約4組に1組)に達しています。

(参考データ出典:厚生労働省「第1表 初婚-再婚別・夫妻の組合せ別にみた婚姻件数・構成割合の年次推移」https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/suii09/marr1.html )

再婚に伴い、パートナーの「連れ子」と一緒に暮らし始め、実の子どものように愛情を注いで育ててきたという方も多いでしょう。「自分が亡くなった後も、この子たちが困らないように自分の財産を残してあげたい」と考えるのは親として当然の感情です。しかし、そこには法律の大きな壁が存在します。

注意!そのままでは連れ子に「法定相続権」は発生しない

最も注意しなければならないのは、再婚相手の連れ子には、そのままでは法定相続権が発生しないという法的ルールです。

あなたが再婚相手(連れ子の親)と婚姻届を出したとしても、あなたと連れ子との間に法的な「親子関係」が自動的に結ばれるわけではありません。何十年一緒に暮らし、生活費や学費を出して愛情深く育てていたとしても、法律上の血縁関係がなければ、連れ子はあなたの財産を1円も相続することができないのです。

連れ子に財産を残すためには、生前に自らの意思で法的な手続きを行っておく必要があります。その代表的な方法が「養子縁組」と「遺言書」です。

方法①:「養子縁組」の手続きによる法定相続人化

一つ目の方法は、役所に養子縁組届を提出し、連れ子と法的な親子関係を結ぶことです。これにより、養子縁組の手続きによる法定相続人化が可能となります

養子縁組のメリット

  • 実子と同じ「法定相続人」になれる:実の子どもと全く同じ相続割合で財産を受け取ることができます。
  • 相続税の基礎控除額が増える:法定相続人が1人増えるごとに「3,000万円 +(600万円 × 法定相続人の数)」という相続税の非課税枠が広がり、税務上有利になります。※非課税枠の広がりには制限があります。
  • 相続税の「2割加算」が適用されない:法定相続人として財産を受け取るため、後述するペナルティ(2割加算)の対象外となります。※孫養子には特別なルールがあります。

養子縁組のデメリット

  • 他の相続人(実子など)の取り分が減る:あなたに別の実子がいる場合、養子が増えることで実子の相続割合が減るため、親族間トラブルの原因になることがあります。
  • お互いに扶養義務が発生する:法的な親子となるため、将来あなたに介護が必要になった際など、連れ子に法的な扶養義務が生じます。

方法②:「遺言書」による財産移転(遺贈)

二つ目の方法は、養子縁組はせずに「〇〇(連れ子)に財産を譲る」という遺言書を作成して、遺言(遺贈)による財産移転を行う方法です

遺言書(遺贈)のメリット

  • 戸籍をいじる必要がない:養子縁組のように戸籍上の関係性を変えることなく、特定の財産(現金や不動産など)をピンポイントで渡すことができます。
  • 柔軟な対応が可能:「自宅は妻に、現金500万円は連れ子に」といった、ご家庭の事情に合わせた自由な財産の振り分けが可能です。

遺言書(遺贈)のデメリット

  • 相続税が「2割加算」になる:法定相続人ではない人(連れ子)が遺言で財産を受け取る場合、税務上のルールにより、連れ子にかかる相続税が本来の「2割増し」になってしまいます。
  • 遺留分の配慮が必要:あなたの実子や両親がいる場合、彼らには最低限の取り分(遺留分)があるため、それを侵害する遺言書を書いてしまうと後々トラブルになります。※養子縁組の場合でも遺留分を考慮する必要はあります。

専門家が整理!法務・税務上の違い比較表

養子縁組と遺言(遺贈)の法務・税務上の違いを専門家の視点で整理すると以下のようになります

項目養子縁組による相続遺言書による遺贈
法的ステータス法定相続人になる法定相続人にはならない
戸籍の変動あり(親子関係が生じる)なし
相続税の基礎控除人数に含まれる(枠が広がる)人数に含まれない
相続税の2割加算加算されない加算される
遺留分(最低限の権利)認められる認められない(請求される側になるリスクあり)

どちらの手法が最適かは、ご自身の財産額、実子の有無、連れ子との関係性によって大きく異なります。誤った選択をすると、残された家族に思わぬ税負担や争いを残してしまう危険性もあります。

当事務所では、再婚家庭の複雑な相続対策について、行政書士が法的に有効な遺言書の作成(公正証書遺言のご提案など)をサポートいたします。愛するご家族の未来を守るため、まずは当事務所の無料相談へお気軽にご連絡ください。

FAQ(この記事によくある質問と回答)

Q. 私と養子縁組をした場合、連れ子は「元の実の親(前夫・前妻)」からの相続権を失ってしまうのでしょうか?

A. いいえ、失いません。一般的な「普通養子縁組」の場合、新しい親(あなた)との親子関係が作られると同時に、元の実の親との親子関係もそのまま継続します。したがって、連れ子は「あなた」と「元の実親」の両方から財産を相続する権利を持つことになります。※特別養子縁組の場合は異なります。

Q. 連れ子を受取人にして生命保険に入ることはできますか?

A. 生命保険の受取人は原則として「配偶者または2親等以内の血族」と定められている保険会社が多く、養子縁組をしていない連れ子を受取人に指定するのは難しいケースが一般的です。ただし、一部の保険会社では、長年の同居実態などを考慮して特例で認める場合もあります。確実に財産を残すなら、養子縁組か遺言書の作成を優先して検討すべきです。

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