ペットと暮らすおひとり様へ|私が亡き後、ペットを守るための「負担付遺贈」

大阪市旭区にお住まいの皆様、こんにちは。行政書士の兼頭です。
旭区の城北公園などをお散歩されていると、ワンちゃんを連れたシニア世代の方をよくお見かけします。一人暮らしの方にとって、ペットはただの動物ではありません。かけがえのない「家族」であり、心の支えです。
しかし、ふとこんな不安がよぎることはありませんか?
「もしも私に万が一のことがあったら、この子(ペット)はどうなるの?」
実は、日本の法律ではペットに財産を残すことはできません。何の対策もしなければ、最愛のペットが路頭に迷い、最悪の場合は保健所へ連れて行かれる…という悲しい結末になりかねません。
今回は、ペットと暮らすおひとり様が、死後も大切な家族を守るための方法「負担付遺贈(ふたんつきいぞう)」について、データと実務の視点から解説します。
目次
- ○ 1. データで見る:高齢者とペットの「2025年問題」
- ○ 2. 法律の壁:ペットは「モノ」なので相続できない
- ○ 3. 解決策:「負担付遺贈」の仕組み
- ○ 4. 失敗しないための「3つの鉄則」
- ○ 5. まとめ|「愛している」なら、準備をしよう
- ・この記事に関連するFAQ
- ・【大阪市旭区の暁行政書士事務所】
1. データで見る:高齢者とペットの「2025年問題」
まずは、ペットを取り巻く現状を見てみましょう。
①シニア女性の4人に1人がペットと暮らしている
株式会社ハルメクホールディングスの最新調査(2025年)によると、「50代以上の女性のペット飼育率」は26.7%にのぼります。また、内閣府の調査でも、ペット飼育者の多くが「生活に潤いや安らぎが生まれる」と回答しており、高齢の方におけるペットの存在感は増しています。
②年間4万頭以上が保健所へ引き取られている
一方で、飼えなくなった犬や猫が自治体に引き取られるケースは後を絶ちません。環境省の統計によると、令和5年度(2023年度)における犬・猫の引取り総数は、全国で44,576頭です。その中には、「飼い主の死亡」や「入院・施設入所」により、行き場を失って持ち込まれたペットも多く含まれていると言われています。
【出典:株式会社ハルメクホールディングス】”ペットに関する調査 2025”犬や猫との生活はシニア女性の幸福度向上に・・・
【出典:環境省】犬・猫の引取り及び負傷動物等の収容並びに処分の状況
2. 法律の壁:ペットは「モノ」なので相続できない
「全財産を愛犬のポチに相続させる」ドラマのような話ですが、残念ながら法律上、ペットは「モノ(動産)」として扱われるため、財産を受け取る権利(権利能力)がありません。
遺言書にこのように書いても無効となり、ペットは宙に浮いてしまいます。
そこで活用すべきなのが、「負担付遺贈(ふたんつきいぞう)」というテクニックです。
(民事信託という方法もありますが、また別の機会にお話しします。)
3. 解決策:「負担付遺贈」の仕組み
負担付遺贈とは、「財産をあげる代わりに、特定の義務(負担)を果たしてもらう」という条件がついた遺言のことです。
具体的には、信頼できる知人や友人に対して、以下のような遺言を書きます。
「私の預金300万円を、友人Aに遺贈する。その代わり(負担として)、私の愛犬ポチを引き取り、生涯にわたって誠実に飼育をすること。」
などとすることで、間接的にペットに財産(飼育費)を残すことができます。
負担付遺贈のメリット
1.飼育費を確保できる
エサ代、ワクチン代、病気になった時の医療費など、十分な資金を新しい飼い主へ負担という形で渡せます。
2.法的な義務が発生する
単なる口約束ではなく、遺言書という公的な文書で「飼育義務」を課すことができます。もしも義務を果たさなければ、遺贈を取り消すことも可能です。
4. 失敗しないための「3つの鉄則」
ただし、遺言書を書けば終わりではありません。ペットを守るためには、以下の準備が不可欠です。
①必ず「新しい飼い主(受遺者)」の承諾を得る
これが最も重要です。遺言は一方的に書けますが、亡くなった後に友人が「やっぱり飼えない」と放棄したら、全てが水の泡です。事前に「飼育費として〇〇万円残すから、マユゲちゃんをお願いできないか?」と相談し、快諾を得ておく必要があります。
②「遺言執行者」を指定する
新しい飼い主が、約束通りちゃんと世話をしているか、誰がチェックしますか?誰も見ていないと、預金だけ使われてペットは放置…という最悪の事態もあり得ます。そこで、行政書士などの専門家を「遺言執行者」に指定し、定期的に飼育状況を監査させる仕組みを作っておきましょう。
③予備のプラン(第二候補)も考える
もしも、頼んでいた友人が、自分より先に亡くなったり、事情が変わって飼えなくなったりしたら?その場合に備えて、「友人Aが飼えない場合は、老犬ホーム〇〇施設に遺贈し、入所させる」などといった予備的な条項を入れておくことをお勧めします。
5. まとめ|「愛している」なら、準備をしよう
ペットは自分で新しい飼い主を探すことも、弁護士を雇うこともできません。飼い主であるあなただけが、彼らの命綱です。
「まだ元気だから大丈夫」ではなく、元気な今だからこそ、新しい飼い主候補(友人や親族)と話し合い、遺言書という形に残しておきましょう。
当事務所では、大阪市旭区エリアを中心に、
・飼育費用(遺産額)の算出シミュレーション
・負担付遺贈の遺言書作成
・死後の飼育状況の監督(遺言執行)
これらをトータルでサポートいたします。
大切な「うちの子」の未来を守るために。まずは無料相談で、あなたの想いをお聞かせください。
遺言書の前にエンディングノートから始めたいという方は"終活エンディングノート書き方解説5つのポイント"もご覧ください。
この記事に関連するFAQ
Q1. ペットのお世話をお願いできる友人が一人もいません。どうすればいいですか?
A. 「老犬・老猫ホーム」や「民事信託」の活用を検討しましょう。親族や友人に頼めない場合、終生飼育を行ってくれる民間の施設(老犬ホームなど)と生前に契約を結ぶ方法があります。その費用を遺言や信託で確保しておくことで、安心して託すことができます。
Q2. 飼育費用はどれくらい残せばいいですか?
A. 平均寿命までの年数 × 年間飼育費 + 予備費(医療費)で計算します。例えば、現在5歳の小型犬(平均寿命15歳)なら、あと10年。年間飼育費(フード・トイレ・ワクチン)が約15万円とすると、150万円。これに高齢期の医療費や葬儀代として+100万円ほど上乗せし、250万円〜300万円程度を目安に遺贈するケースが多いです。
Q3. 新しい飼い主が見つかるまでの間(死後数日)は誰が世話をするのですか?
A. 「死後事務委任契約」でカバーします。遺言書の手続きには時間がかかります。亡くなった直後から新しい飼い主に引き渡すまでの「空白期間」は、行政書士などの第三者がペットシッターを手配したり、一時預かりを行ったりできるよう、死後事務委任契約を併用すると安心です。信託を活用する場合は、信託契約書にこの内容を盛り込むことで解決できます。
【大阪市旭区の暁行政書士事務所】

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