【行政書士監修】おひとりさまの相続トラブル例と、死後に財産はどうなる?

急増する「おひとりさま」と相続の不安
生涯未婚率の上昇や、配偶者との死別・離別などにより、単身で生活する「おひとりさま」が増加しています。国立社会保障・人口問題研究所の推計(2024年推計)によると、2050年には全世帯の44.3%が単独世帯(一人暮らし)になると予測されています。
(参考データ出典:国立社会保障・人口問題研究所「日本の世帯数の将来推計」 https://www.ipss.go.jp/ )
おひとりさまが直面する大きな不安の一つが「自分が死んだ後、築き上げた財産はどうなるのか?」という問題です。「国に没収されるの?」「疎遠な親族に勝手に渡ってしまうの?」といった疑問を持つ方は少なくありません。
本記事では、遺言書を残さなかった場合の財産の行方や、おひとりさまの相続で起こりやすい親族間のトラブル例、そしてその解決策を行政書士が分かりやすく解説します。
遺言書がない場合、おひとりさまの財産はどうなる?
結論から言うと、遺言書がない場合、あなたの財産は民法で定められた「法定相続人」に引き継がれます。おひとりさま(配偶者も子供もいない方)の場合、財産の行方は以下の順位で決定されます 。
法定相続人の順位と移行の仕組み
| 順位 | 相続人の関係性 | 概要・条件 |
| 第1順位 | 子供(直系卑属) | おひとりさま(子なし)の場合は該当しません。 |
| 第2順位 | 親・祖父母(直系尊属) | ご両親が健在であれば、ご両親が全財産を相続します。 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹(および甥・姪) | ご両親が既に他界している場合、兄弟姉妹に相続権が移ります。兄弟姉妹が死亡している場合は、その子供である甥・姪が代襲相続します 。 |
つまり、多くのおひとりさまの場合、遺言書を残さなければ「兄弟姉妹」または「甥・姪」に財産が渡ることになります 。
法定相続人が誰もいない場合は「国庫」に帰属する
ご両親も既に他界し、兄弟姉妹も甥・姪もいない(あるいは全員が相続放棄をした)という「法定相続人が一人もいない」状況になった場合、最終的にその財産は「国庫(国)」に帰属します。ただし、自動的に国庫に入るわけではなく、家庭裁判所による「相続財産清算人」の選任など、複雑な手続きを経る必要があります。
おひとりさまの相続で実際に起きるトラブル例
「財産は兄弟にいくなら、それでいい」と放置するのは非常に危険です。遺言書がないことで、残された親族間で以下のような深刻なトラブル(争族)に発展するケースがあります。
トラブル1:疎遠な兄弟姉妹・甥姪での遺産分割協議が難航する
おひとりさまが亡くなった後、複数の兄弟姉妹(または甥姪)がいる場合、全員で「誰がどの財産をどれだけ相続するか」を話し合う「遺産分割協議」を行わなければなりません。 長年疎遠であったり、面識すらない甥や姪同士で話し合いを行うことは、心理的負担が極めて大きく、協議がまとまらずに手続きが長期化するリスクが高まります。
トラブル2:不動産の押し付け合いで「負動産」化する
預貯金であれば均等に分けやすいですが、財産が「自宅(不動産)」のみだった場合、問題は深刻化します。誰も住む予定のない不動産は、維持費(固定資産税や修繕費)ばかりがかかる「負動産」となります。誰も相続したがらず、かといって共有名義にすると売却時に全員の同意が必要となり、結果的に空き家として放置される原因となってしまいます。
トラブルを防ぐための生前対策:遺言書の絶対的効力
これらのトラブルを防ぎ、「自分が望む相手(お世話になった友人、特定の甥・姪、慈善団体など)」に財産を確実に渡すための最も有効な手段が「遺言書の作成」です。
法律上、兄弟姉妹(および甥姪)には「遺留分(法律で保障された最低限の遺産の取り分)」が認められていません。つまり、あなたが「全財産を〇〇に譲る(遺贈する)」という遺言書を書いておけば、兄弟姉妹からの要求(遺留分侵害額請求)を完全に封じることができ、残された親族を面倒な遺産分割協議から解放することができます。
当事務所では、無効になりにくい「公正証書遺言」の作成サポートや、死後の手続きを代行する「死後事務委任契約」のご相談を承っております。ご自身の財産と、残される方の平和を守るため、ぜひお早めに行政書士にご相談ください。
FAQ(この記事によくある質問と回答)
Q1. 自分の財産を、親族ではなくお世話になった友人や保護団体に全額寄付することはできますか?
A. はい、可能です。ただし、口約束だけでは効力がありません。法的な効力を持つ「遺言書」を作成し、「〇〇に全財産を遺贈する」と明確に記載しておく必要があります。確実性を高めるため、公正証書遺言での作成を強く推奨します。
Q2. 疎遠な兄がいますが、財産を一円も渡したくありません。可能ですか?
A. 可能です。おひとりさまの場合、法定相続人となる兄弟姉妹には「遺留分(最低限の取り分)」が法律上認められていません 。そのため、「兄以外の〇〇に全財産を譲る」という遺言書を残しておけば、お兄様に財産が渡るのを完全に防ぐことができます。
Q3. 親も兄弟もいません。私が死んだら財産はすぐに国のものになるのですか?
A. すぐに国のものになるわけではありません。利害関係者などの申し立てにより家庭裁判所で「相続財産清算人」が選任され、債権者への支払いや特別縁故者(生前特別に親しくしていた人)への分与などの精算手続きが行われた後、最終的に残った財産のみが国庫に帰属することになります。

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