数次相続(すうじそうぞく)とは?亡くなった相続人の権利がさらに移る「複雑」なケースの手続き

「父が亡くなり、遺産分けの話し合いをしようとしていた矢先に、相続人の一人である母も亡くなってしまった…」「祖父の不動産の名義を変えようとしたら、父も亡くなっているため、手続きが複雑すぎると言われた…」
大阪市旭区にお住まいの皆様、このような「相続手続き中に、次の相続が起きてしまった」状態を、専門用語で「数次相続(すうじそうぞく)」と呼びます。
これは、通常の相続が「1回」で済むところ、「2回以上」の相続が重なっている状態です。当事者が増え、書類が複雑化し、一般の方が自力で解決しようとすると迷宮入りしやすいケースの筆頭です。
今回は、なぜ数次相続がこれほどまでに複雑なのか、その仕組みと、一括で解決するための手続き方法を行政書士が解説します。
「数次相続」と「代襲相続」の違いは?
まず、よく混同される「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」との違いを整理しましょう。ポイントは「亡くなった順番」です。
- 代襲相続:被相続人(親)が亡くなる「前」に、子供が亡くなっていた場合。 → 孫が代わって相続します。
- 数次相続:被相続人(親)が亡くなった「後」、遺産分割が終わらないうちに、子供(相続人)が亡くなった場合。→ 子供が持つはずだった「相続する権利」を、さらにその家族が相続します。
つまり、数次相続は「手続きを完了させずに放置していた期間」に発生しやすく、時間が経てば経つほど、三次相続、四次相続…と連鎖していくリスクがあります。
なぜ数次相続の手続きは「複雑」なのか?
数次相続が発生すると、通常の何倍もの手間がかかります。その理由は主に3つです。
1. 「相続人の地位」が重複してややこしい
例えば、祖父Aが亡くなり、その後に父Bが亡くなり、子Cが残された場合。子Cは、「父Bの相続人」であると同時に、「父Bが相続するはずだった祖父Aの遺産の相続人(相続人の相続人)」という2つの地位を持ちます。遺産分割協議書には、この肩書きを正確に記載しなければ法務局で受理されません。
2. ハンコを押す人がネズミ算式に増える
父Bが亡くなったことで、父Bの他の相続人(Cの兄弟や、場合によってはBの再婚相手など)も、祖父Aの遺産分割協議に参加する権利を持ちます。関係者が増えれば増えるほど、意見をまとめる難易度は跳ね上がります。
3. 遺産分割協議書がパズルのようになる
「祖父の遺産」と「父の遺産」を同時に分ける場合、協議書を2通作るのか、1通にまとめるのか。1通にする場合、どの財産がどの相続(一次か二次か)に該当するのかを明確に書き分ける必要があります。
【データで見る】所有者不明土地の要因にも
数次相続を放置すると、どうなるでしょうか。法務省の調査によると、不動産登記簿上で所有者が判明しない土地(所有者不明土地)の多くが、「相続登記が未了のまま、長期間放置され、数次相続が繰り返されたこと」が原因とされています。
旭区や城東区のような都市部でも、「名義がひいおじいちゃんのまま」の家屋は少なくありません。放置すればするほど、解決にかかる費用(戸籍収集代や専門家報酬)は膨れ上がります。
参考データ出典:
- 法務省「所有者不明土地の解消に向けた民事基本法制の見直し(民法・不動産登記法等一部改正法・相続土地国庫帰属法)」https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00343.html
数次相続を解決するためのテクニック
複雑な数次相続ですが、効率的に手続きを進める方法はあります。
1. 「遺産分割協議書」を1通にまとめる
第一次相続(祖父)と第二次相続(父)の当事者が重なっている場合、2枚作成せずに「1枚の遺産分割協議書」でまとめて合意することが可能です。ただし、「被相続人 A(一次)」「被相続人 B(二次)」と明確に区別し、「相続人兼被相続人Bの相続人 C」などといった複雑な記載が求められます。
2. 「法定相続情報一覧図」を活用する
数次相続では、戸籍の束が分厚くなります。銀行ごとにこれを提出するのは大変です。法務局で「法定相続情報一覧図(相続人の証明書)」を取得しておけば、1枚の紙で相続関係を証明でき、手続きが劇的にスムーズになります。(※発生した相続ごとに作成する必要があります。)
旭区の暁行政書士事務所にお任せください
「自分でやろうと思ったが、書き方が分からなくて修正(補正)するように言われ、手続きが進まない」数次相続に関しては、このようなご相談が非常に多いです。
当事務所では、複雑に絡み合った相続関係を紐解き、以下のサポートを行います。
- 数次相続に対応した遺産分割協議書の作成
- 膨大な戸籍謄本の収集と整理
- 法定相続情報一覧図の申出代行
「何代前から名義が変わっていないか分からない」という状態でも構いません。千林大宮駅近くの事務所にて、まずは家系図を整理するところから始めましょう。封筒をそのままお持ちください。
FAQ(この記事によくある質問と回答)
Q1. 父が多額の借金を残して亡くなりました。祖父の遺産は欲しいのですが、父の借金は相続したくありません。
A. 非常に難しい判断になります。「父の相続(二次)」を放棄すると、「父が持っていた祖父を相続する権利(一次)」も失うのが原則です。つまり、父の借金を放棄すれば、祖父の遺産も(父の分としては)受け取れなくなります。父と祖父のどちらが先に亡くなったか、や放棄の可否については、専門的な判断が必要ですので、必ず事前にご相談ください。
Q2. 数次相続の「相続放棄の期限(3ヶ月)」はいつから始まりますか?
A. 特例があります。第二次相続(父の死亡)の相続人が、自己のために相続があったことを知った時から3ヶ月以内であれば、第一次相続(祖父の死亡)の放棄も可能です(民法第916条)。祖父が亡くなってから何年も経っていても、父の死亡後3ヶ月以内なら間に合う可能性があります。
Q3. 遺産分割協議書には、なんと署名すればいいですか?
A. 通常と記載方法や署名の方法が異なります。例えば、「相続人 ○○(自分の名前)」と書くだけでなく、その肩書きとして「相続人兼被相続人(父の名前)の相続人」と記載し、それぞれの立場を明確にする必要があります。書き間違えると無効になるため、プロによる作成をお勧めします。
旭区の「暁行政書士事務所」がお手伝いできること

当事務所では、甥・姪への相続が発生する場合や甥・姪が相続する場合についてサポートを行っております。
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