甥や姪が相続人になるケースとは?子供がいない夫婦の複雑化する家系図と代襲相続

「夫が亡くなりました。子供はいません。相続人は妻である私と、夫の弟だけだと思っていました」「ところが戸籍を調べたら、会ったこともない『夫の甥っ子・姪っ子』たちも相続人だと言われて…」
大阪市旭区にお住まいの皆様、これは決して珍しい話ではありません。少子高齢化が進む中、相続人の範囲が広がり、「家系図」が横へ下へと複雑化するケースが増えています。
特に注意が必要なのが、兄弟姉妹が先に亡くなっている場合に発生する「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」です。今回は、なぜ甥や姪が相続人になるのか、その仕組みと、人数が増えることで高まるリスクについて解説します。
基本のおさらい:子供がいない夫婦の相続人
まず、基本のルールを確認しましょう。亡くなった方(被相続人)に子供がおらず、両親や祖父母も既に他界している場合、相続人は以下のようになります。
- 配偶者(妻や夫):常に相続人
- 兄弟姉妹:第3順位の相続人
通常であれば、この「配偶者+兄弟姉妹」のチームで遺産分けの話し合い(遺産分割協議)を行います。しかし、ここで「兄弟姉妹の中に、既に亡くなっている人がいる」場合、話が変わってきます。
「代襲相続」発動!権利は甥・姪へ移る
「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」とは、本来相続人になるはずだった人が、被相続人(亡くなった人)よりも先に死亡していた場合、その子供が代わりに相続権を引き継ぐ制度です。
ケーススタディ:夫が亡くなり、兄が既に他界していた場合
本来、夫の兄が相続人になるはずでしたが、兄は既に亡くなっています。この場合、兄の権利は消滅せず、「兄の子供(夫から見た甥・姪)」にそのまま移動します。
つまり、妻は「亡き夫の甥や姪」全員と遺産分割協議を行い、実印をもらわなければならなくなるのです。
参考情報(法律の根拠):民法 | e-Govhttps://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089
- 民法第889条(直系尊属及び兄弟姉妹の相続権)
- 民法第901条(代襲相続人の相続分)
「家系図」が複雑化することで起きる3つのリスク
「相手が甥っ子なら、兄弟よりも話しやすいのでは?」 そう思われるかもしれませんが、現場の実態は逆です。世代が下がることで、以下のようなリスクが急増します。
1. 相続人の人数が倍増するリスク
兄弟一人の代わりならまだしも、その兄弟に子供が3人いれば、相続人は一気に3人増えます。「妻 vs 義理の兄弟1人」だったはずが、「妻 vs 会ったこともない甥・姪など計5人」といった構図になり、ハンコを集める難易度が跳ね上がります。
2. 関係性が希薄(疎遠)であるリスク
兄弟姉妹なら「昔話」もできますが、甥や姪となると「小さい頃に一度会っただけ」「名前も知らない」というケースがほとんどです。関係性が薄い相手ほど、情に訴えることが難しく、「法律通りの権利(お金)」をドライに請求される傾向があります。
3. 未成年者が含まれるリスク
もしも、甥や姪がまだ未成年だった場合、遺産分割協議には「親権者(親)」の同意が必要になります。さらに親権者とも利益が対立する場合、「特別代理人」を家庭裁判所で選任しなければならず、手続きが数ヶ月単位で遅れます。
【データで見る】相続トラブルは「金額」より「感情」
裁判所の司法統計によると、遺産分割調停の件数は高止まりしており、その約7割以上が遺産総額5,000万円以下の一般的な家庭です。
特に、「当事者同士の関係性が希薄」であるほど、トラブルになりやすいと言われています。「叔父さんには世話になったから遺産はいらないよ」と言ってくれる甥っ子ばかりではありません。彼らにも生活があり、突然降って湧いた「相続権」をあてにするのは無理もないことなのです。
参考データ出典:
- 裁判所「司法統計(家事事件)」https://www.courts.go.jp/app/sihotokei_jp/search
甥・姪への「代襲相続」を防ぐ唯一の方法
複雑化した家系図を整理し、妻(配偶者)を守る方法はただ一つ。「遺言書」を作成することです。
遺留分がないことを思い出して!
以前の記事「大阪市旭区の行政書士が解説!兄弟姉妹には「遺留分」がないって本当?遺言書が最強の対策になる理由>」でも解説しましたが、兄弟姉妹(およびその代襲相続人である甥・姪)には「遺留分」がありません。つまり、遺言書に「妻に全財産を相続させる」と書いておけば、甥や姪のハンコは一切不要になり、彼らに財産を渡す必要もなくなります。
旭区の暁行政書士事務所へご相談ください
「うちは兄弟が多いから、甥や姪が何人いるか分からない…」そんな方は、まず当事務所にご相談ください。職権で戸籍を収集し、正確な「相続関係説明図」を作成いたします。
リスクを可視化した上で、公正証書遺言などの対策を立てましょう。千林大宮駅近くの事務所にて、お待ちしております。
FAQ(この記事によくある質問と回答)
Q1. 甥も亡くなっている場合、その子供(又甥・又姪)が相続人になりますか?
A. いいえ、なりません。兄弟姉妹からの相続の場合、代襲相続は「一代限り(甥・姪まで)」と決められています(再代襲しません)。※ただし、直系卑属(子供→孫→ひ孫)の相続の場合は、何代でも再代襲します。ここが間違いやすいポイントです。更にいうと、”数次相続”が原因で甥姪が相続人となっている場合は、代襲が発生する場合があり、複雑になります。早めの相続手続きが大切です。
Q2. 兄が借金を残して亡くなっている場合、甥が相続すると借金も引き継ぎますか?
A. 今回の話は「あなたの夫の相続」についてです。甥があなたの夫の相続人になる場合、あなたの夫に借金がなければ、甥が兄(甥の父)の借金の影響を受けることはありません。ただし、甥自身が「父の相続を放棄」していても、「叔父(あなたの夫)の代襲相続人」にはなれるという点は複雑なので注意が必要です。
Q3. 甥や姪の連絡先が全く分かりません。
A. 「戸籍の附票」を取得して現在の住民票上の住所を調べることができます。判明した住所にお手紙を送るサポートも行っています。
旭区の「暁行政書士事務所」がお手伝いできること

当事務所では、お子様がおられないご夫婦やおひとり様のサポートを行っております。
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