建設業

建設業許可5つの要件と知っておきたい4つの基礎知識

建設業許可のイメージです

行政書士の兼頭です。
建設工事の完成を請け負うためには、「軽微な建設工事」を除いて、公共工事であっても民間工事であっても許可を受ける必要があります。
建設工事は建築一式工事や土木一式工事など2つの一式工事と27種の専門工事の29種類に分類されています。

建設工事の完成を請け負うことを営業するには、その工事が公共工事であるか民間工事であるかを問わず、建設業法第3条に基づき建設業の許可を受けなければなりません。
ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負って営業する場合には、必ずしも建設業の許可を受けなくてもよいこととされています。

*ここでいう「軽微な建設工事」とは、次の建設工事をいいます。

①建築一式工事については、工事1件の請負代金の額が1,500万円未満の工事または延べ面積が150㎡未満の木造住宅工事
●「木造」…建築基準法第2条第5号に定める主要構造部が木造であるもの
●「住宅」…住宅、共同住宅及び店舗等との併用住宅で、延べ面積が2分の1以上を居住の用に供するもの

② 建築一式工事以外の建設工事については、工事1件の請負代金の額が500万円未満の工事

国土交通省のホームページ、建設産業・不動産業「建設業の許可」URL https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bt_000080.html(閲覧日:2019/6/26)
この建設業許可は、誰が、どのようにして、許可を行っているのでしょうか?
許可を受けるには、どのような条件があるのでしょうか?
建設業許可について詳しくご説明致します。

許可を受けるための5つの要件

建設業の許可を受けるには、以下の5つの要件を満たす必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者としての経験を有する
  2. 営業所ごとに専任技術者を配置する
  3. 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと
  4. 請負契約を履行するに足りる財産的または金銭的信用を有していること
  5. 欠格要件に該当しないこと

※当事務所では、許可基準を満たしているかどうかを質問形式で簡単に判定する「かんたん建設業許可チェック」を用意しています。
簡易チェックとして、ご活用下さい。
https://aa-assist.com/kensetsu-easy-check

経営業務の管理責任者としての経験を有する

まず最初は、いわゆる「経管」についてです。
許可を受けたい工事の種類(建築一式工事や内装仕上工事など)について5年以上、または許可を受けたい工事の種類以外の工事種類で6年以上の経営経験者を必要とする、現状では非常に重要な条件となります。
経験者として認められるのは、個人事業主であれば、本人や登記されている支配人などです。
法人であれば、役員(業務を執行する社員、取締役、執行役またはこれに準ずる者)です。
しかし、「建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律の一部を改正する法律案(令和元年法律第三十号)」が、令和元年6月12日に公布されました。
この法律では、「持続可能な事業環境の確保」という趣旨で「経営業務管理責任者に関する規制を合理化」することになりました。
「建設業経営に関し過去5年以上の経験者が役員にいないと許可が得られないとする現行の規制を見直し、今後は、事業者全体として適切な経営管理責任体制を有することを求めることとする。」ということだそうです。
簡単に言いますと、1人の経営者の経験に頼らず会社や事業者全体で管理しよう。ということだと思います。
【追記2019.08.06】
国土交通省が発表した資料「新・担い手三法について~建設業法、入契法、品確法の一体的改正について~」によると経営業務の管理責任者について以下のように記載されています。

一 建設業に係る経営業務の管理を適正に行うに足りる能力を有するものとして国土交通省令で定める基準に適合する者であること。

国土交通省「新・担い手三法について~建設業法、入契法、品確法の一体的改正について~」41ページ (参照日:2019/8/6)
一言でいうと国土交通省令に委ねられることになりました。
どのような基準となるのか今後も注目していきたいと思います。
【追記終了】
また、附則に「この法律は、公布の日から起算して一年六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する」とされていますので、令和3年を迎える頃までに施行されることになります。
さらに言うと、この法律により条件が緩和された点があれば、明確に必要となる点もできました。
それは「社会保険への加入」です。
これまでも、社会保険への加入は、重要なポイントでしたが、明文化されることになりました。
この法律についての詳細は、国土交通省のホームページ「建設業法、入契法の改正について」をご覧ください。
とはいえ、現状で許可を受けるためには、必要な条件となります。(2019年6月30日現在)

営業所ごとに専任技術者を配置する

これは、「センギ」と言われることもある、やはり重要な条件です。
専任技術者については、この項目だけで1つの記事が書けるほどのボリュームですので、詳しくはまた別の記事に記載致します。
ここでは、内装仕上工事を例に簡単に説明致します。
一般建設業許可と特定建設業許可によって、内容が変わりますので、実際の説明は後ほど記載致します。

請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと

建設業には非常に高額な契約や工期が長い契約があります。
そのため、契約締結の為に詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為や、法律に違反はしないけれど、時間の経過とともに意識が薄れ契約内容を守らない、あるいは天災などが発生した場合に損害補填の協力をしないなど、契約内容に違反するような行為が該当致します。

「不正な行為」とは、請負契約の締結又は履行の際における詐欺、脅迫、横領等法律に違反する行為をいいます。
「不誠実な行為」とは、工事内容、工期、天災等不可抗力による損害の負担等について請負契約に違反する行為をいいます。
【基準を満たさない者の例示】
申請者が法人である場合においては、当該法人の非常勤役員を含む役員等及び一定の使用人が、申請者が個人である場合においてはその者及び一定の使用人が、次に該当する場合は原則としてこの基準を満たさないものとして取り扱います。
・ 建築士法(昭和 25 年法律第 202 号)、宅地建物取引業(昭和 27 年法律第 176 号)等の規定により不正又は不誠実な行為を行ったことをもって免許等の取消処分を受け、その最終処分から5年を経過しない者。

大阪府「建設業許可申請の手引き」(令和元年6月版)31ページ (参照日:2019/6/26)

請負契約を履行するに足りる財産的または金銭的信用を有していること

建設業の請負代金は、日常生活と比べて高額となります。
請負代金が高額となれば、その工事にかかる材料の仕入れや、職人さんの確保なども高額となります。
また、長期的な工事を請け負うためには、金銭的な信用も必要となります。
下請業者にとっては、元請業者の資力というのは非常に大切なものとなります。
元請業者に支払い能力が無い。
なんてことになると、落ち着いて作業できませんよね・・・。
一般建設業許可と特定建設業許可で、異なった規準となっています。
具体的な例は、後ほど、一般建設業許可と特定建設業許可にわけて説明致します。

欠格要件に該当しないこと

欠格要件や欠格事由などと言われます。
許可申請や届出では、建設業に限らず、破産者で復権を得ないものや、反社会的勢力に関わっていないことなどが要件となります。
詳しくは、各都道府県や整備局の手引きをご確認下さい。
例として、大阪府の手引きを以下にご紹介致します。

■一般建設業、特定建設業 における欠格要件
申請者が次のアからスまで(許可の更新を受けようとする申請者にあっては、ア又はキからスまで)のいずれにも該当せず、かつ、許可申請書及びその添付書類中に重要な事項について虚偽の記載がなく、並びに重要な事実の記載が欠けていない場合、基準に適合しているものとして取り扱います。
ア 成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
イ 法第 29 条第 1 項第 5 号又は第 6 号に該当することにより一般建設業の許可又は特定建設業の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
ウ 法第 29 条第 1 項第 5 号又は第 6 号に該当するとして一般建設業の許可又は特定建設業の許可の取消処分に係る行政手続法第 15 条の規定による通知があった日から当該処分があった日又は処分をしないことの決定があった日までの間に法第 12 条第 5 号に該当する旨の同条の規定による届出をした者で当該届出の日から5年を経過しない者
エ ウに規定する期間内に法第 12 条第 5 号に該当する旨 の同条の規定による届出があった場合において、ウの通知の日前 60 日以内に当該届出に係る法人の役員若しくは一定の使用人であった者又は当該届出に係る個人の一定の使用人であった者で、当該届出の日から5年を経過しない者
オ 法第 28 条第 3 項又は第 5 項の規定により営業の停止を命ぜられ、その停止の期間が経過しない者
カ 許可を受けようとする建設業について、法第 29 条の 4 の規定により営業を禁止され、その禁止の期間が経過しない者
キ 禁錮以上の刑に処せられ、その刑 の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から 5年 を経過しない者
ク 法、又は一定の法令の規定により罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又はその刑の執行を受けることがなくなった日から5 年を経過しない者
ケ 暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律第 2 条第 6 号 に規定する暴力団員又は同号に規定する暴力団員でなくなつた日から 5 年を経過しない者(スにおいて「暴力団員等」という)
コ 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が前各号の一に該当するもの
サ 法人でその役員等又は一定の使用人のうちに、アからエまで又はカからケまでの いずれかに該当する者(イに該当する者についてはその者が法第 29 条第 1 項の規定により許可を取り消される以前から、ウ又はエに該当する者についてはその者が法第 12 条第 5 号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、カに該当する者についてはその者が法第 29 条の 4 の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該法人の役員又は一定の使用人であった者を除く。)のあるもの
シ 個人で一定の使用人のうちに、アからエまで又はカからケまでのいずれかに該当する者(イに該当する者についてはその者が法第 29 条第 1 項の規 定により許可を取り消される以前から、ウ又はエに該当する者についてはその者が法第 12 条第 5 号に該当する旨の同条の規定による届出がされる以前から、カに該当する者についてはその者が法第 29 条の 4 の規定により営業を禁止される以前から、建設業者である当該個人の一定の使用人であった者を除く。)のあるもの
ス 暴力団員等がその事業活動を支配する者

大阪府「建設業許可申請の手引き」(令和元年6月版)29ページ (参照日:2019/6/26)

「許可を受けるための5つの要件」まとめ

以上が、許可を受けるための5つの要件となります。
抽象的な表現や、専門用語が多いため、わかりにくい内容もあったかと思います。
具体例なども示して更に詳しく説明するとともに、5つの要件を満たすために、知っておく必要がある4つの基礎知識を以下で解説します。

基礎知識(1)業種別での許可

建設業の許可には、全ての建設工事を請け負うことができる許可は存在しません。
2種類の一式工事と、27種類の専門工事の内容にあった許可を受ける必要があります。
一式工事:土木一式工事建築一式工事
専門工事:大工工事、左官工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、屋根工事、電気工事、管工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、舗装工事、しゅんせつ工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、機械器具設置工事、熱絶縁工事、電気通信工事、造園工事、さく井工事、建具工事、水道施設工事、消防施設工事、清掃施設工事、解体工事
例えば、建築一式工事(建築工事業)の許可を受けている業者が、内装仕上工事のみを内容とする、建設業許可が必要な工事を請け負うことはできません。
また、複数の許可を受けることができる状況であれば、複数の許可を受けておくことも検討する必要があります。
ちなみに、要件を満たせば、何種類でも同時に許可を受けることができます。
必要になった時点で1つずつ増やしていくこともできますし、一度に複数受けることもできます。
どの業種で許可を受けるかは、業務の目的に合わせて検討する必要があります。
公共工事をお考えの場合は、発注元となる自治体等が、受注できる建設業の業種を指定しますので注意が必要です。
公共工事を請け負うためには、経営事項審査を受けて、発注元となる自治体等へ登録する必要があります。
この経営事項審査については、また別の記事に記載致します。
この記事では、引き続き建設業許可について記載していきます。

基礎知識(2)許可権者による違い

許可権者とは、許可を与える権限を持っている人のことを言います。
建設業許可は、2種類の許可権者が許可を行います。
1つは国土交通省の大臣、つまり「国土交通大臣」です。
もう1つは「都道府県知事」です。
それぞれについて見ていきましょう。

国土交通大臣許可

大臣許可というと、何か凄い感じがしますが、実はとても単純な理由です。
営業所が2つ以上の都道府県にある場合は、国土交通大臣の許可(以下「大臣許可」と記載します)が必要になります。
(実際の許可は本店の所在地を管轄する整備局長等が行います)
ちなみに、この営業所という考え方は、「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」のことを言います。
その他「他の営業所に対して請負契約に関する指導監督を行うなど、建設業に係る営業に実質的に関与する場合」も営業所に該当致します。
つまり、建設業に関する営業を行わない店舗(単なる案内書や別の事業を行っている店舗)などは営業所に該当しません。

必要な手続き

大臣許可と都道府県知事許可(以下「知事許可」と記載します)によって必要な手続きは異なります。
しかし、書類提出の窓口は都道府県となっています。
大臣許可の場合は、窓口の都道府県に申請書類を提出し、本店の所在地を管轄する整備局(例:大阪府の場合は近畿地方整備局)へ確認書類を提出することになっています。

標準処理期間

許可の申請後、許可等の処分がされるまでにかかる標準的な期間を「標準処理期間」といいます。
簡単にいうと、許可の審査期間です。
大臣許可の場合の例として、近畿地方整備局について記載致します。
大臣許可の場合は「概ね120日」(都道府県から近畿地方整備局に到達する期間30日と近畿地方整備局での標準処理期間90日)となっています。(2019年6月現在)
約4か月という期間を要しますので、許可取得には余裕をもった計画が必要になります。

都道府県知事許可

続きまして知事許可についてです。
営業所が1つの都道府県のみにある場合は、「知事許可」が必要になります。
前述の通り、営業所とは、建設業に関わる事務所のことですが、ここで言う数は、あくまで「都道府県」の数です。
同一の都道府県内であれば複数の営業所があっても知事許可ということになります。
例えば、大阪府と兵庫県に1か所ずつの計2か所に営業所がある業者は「大臣許可」となり、大阪府内の計10か所に営業所がある業者は「知事許可」となります。
また、建設工事を施工することができる場所等に制限はありません。
例えば、大阪府知事許可であっても、京都府や兵庫県はもちろん、東京都や北海道など、どこでも施工可能です。

必要な手続き

知事許可の場合は、全ての書類を都道府県に提出致します。
大阪府の場合は、提出時に必要な書類の有無などのチェックを受けてから提出致します。

標準処理期間

大臣許可と違い知事許可は整備局の審査がありませんので大臣許可に比べると短くなります。
例として、大阪府について記載しますと、「土日、祝日を含む30日」となっています。
(2019年6月現在)

基礎知識(3)一般と特定

建設業許可には、「一般建設業許可」と「特定建設業許可」の2種類があります。
この違いは、「大臣許可」と「知事許可」の違いよりも、少し複雑です。
では、それぞれについて見てみましょう。

一般建設業許可

建築業関係の方が言う「建設業許可」や「金看板」とは一般建設業許可を指す場合が多いように思います。
「軽微な建設工事」以外で、後ほど説明する特定建設業に該当しない工事の施工を行う場合に、必要になる許可です。

専任技術者

専任技術者については、基本的に許可を受けたい工事について10年の経験が必要とされます。
ただし、期間を短縮できる要件や、資格を取得することで専任技術者として認められる要件があります。
この要件や資格について詳しく記載すると、29種類それぞれ違うために大量な内容となりますので、詳しくは別の記事に記載致します。
ここでは、1つの専門工事「内装仕上工事」を例にあげて説明致します。

内装仕上工事の経験年数短縮

「建築学又は都市工学に関する学科」を修めた者は以下の経験年数に短縮されます。

  1. 高等学校、中等教育学校等を卒業した後5年以上
  2. 大学(短期大学を含みます。)を卒業した後3年以上
  3. 高等専門学校等を卒業した後3年以上
内装仕上工事に認められる資格

【建設業法(技術検定)】
1級建築施工管理技士/2級建築施工管理技士(仕上げ)
【建築士法】
1級建築士/2級建築士
【職業能力開発促進法】
(等級区分が2級の場合は、合格後3年以上の実務経験を要する。ただし、平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上。)
畳製作・畳工(1級/2級)/内装仕上げ施工・カーテン施工・天井仕上げ施工・床仕上げ施工・表装・表具・表具工(1級/2級)
【基幹技能者】
登録内装仕上工事基幹技能者

財産的基礎の要件

一般建設業許可の場合は、500万円以上の資金の準備があることの証明、または継続して営業をしている実績を示す必要があります。
具体的には、以下の3つの要件のどれかに該当する必要があります。

  1. 直前の決算の自己資本の額が500万円以上である
  2. 取引金融機関の融資証明書、預金残高証明書等で500万円以上の調達能力がある
  3. 許可申請直前の過去5年間、許可を受けて継続して営業した実績を有する

2番については、各許可権者(国土交通大臣や都道府県知事)によって条件や有効期間が設けられています。
(例:大阪府の場合、金融機関の預金残高証明書で許可申請日前4週間以内のもの:2019年6月30日現在)
また、建設業許可は、5年に一度更新する必要があるのですが、更新時には3番の要件を満たしているという扱いになります。
ただし、毎年の決算等に関する届出を提出している必要があります。

特定建設業許可

「特定建設業とは、発注者から直接請け負う1件の元請工事について、下請人に施工させる額の合計額(税込み)が4,000万円以上(建築一式工事の場合は 6,000 万円以上)となる場合」に必要とされています。
ポイントは、3つあります。
1つ目は「元請工事」であるということです。
つまり、下請業者がさらに下請人に施工させる場合、いわゆる孫請けに対しては該当しません。
例えば、建築一式工事を元請のA社が、下請のB社へ8,000万円で発注し、B社が更にC社へ7,000万円で発注した場合を考えます。
A社とB社は、共に下請へ施工させる額が6,000万円以上となりますので、特定建設業許可が必要になりそうです。
しかし、B社は「元請」ではないので、特定建設業許可が必要になるのはA社のみです。


2つ目は「下請に施工させる合計額(税込)」であるということです。
例えば、元請のA社が、下請会社のB社、C社、D社へそれぞれ2,500万円の発注をした場合、合計7,500万円となり、特定建設業許可が必要ということになります。


3つ目は、上記には記載されていませんが「材料等は含まれない」ということです。
内装仕上工事の下請へ業者が担当する工事額が4,500万円であっても、元請会社が800万円分の材料を提供した場合、下請会社への発注額は3,700万円となります。
この為、特定建設業許可は不要ということになります。

専任技術者

特定建設業許可の場合、実務経験で要件を満たすことは、以下の7つの指定建設業には認められていません。
(土木工事業、建築工事業、電気工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、造園工事業)
その他の業種では、実務経験で要件を満たすためには、許可を受けようとしている建設業について、一般建設業許可の専任技術者となる資格を有していて、さらに請負代金が4,500万円以上の元請工事について2年以上の「指導監督的な実務」を経験をしている必要があります。
指導監督的な実務とは、「建設工事の設計、施工の全般にわたって工事現場主任や現場監督者のような立場で工事の技術面を総合的に指導監督した経験」とされています。
その他、国土交通大臣が資格取得者と同等以上の能力を有している者として認定した場合でも良いことになっていますが、なかなか厳しい要件となっています。
資格取得者とは、何の資格なのかを、一般建設業許可の時と同じように内装仕上工事を例として説明致します。

内装仕上工事に認められる資格

【建設業法(技術検定)】
1級建築施工管理技士/☆2級建築施工管理技士(仕上げ)
【建築士法】
1級建築士/☆2級建築士
【職業能力開発促進法】
(等級区分が2級の場合は、合格後3年以上の実務経験を要する。ただし、平成16年4月1日時点で合格していた者は実務経験1年以上。)
☆畳製作・畳工(1/2級)/☆内装仕上げ施工・カーテン施工・天井仕上げ施工・床仕上げ施工・表装・表具・表具工(1/2級)
【基幹技能者】
☆登録内装仕上工事基幹技能者
☆印がある資格は、資格だけではなく、2年以上の「指導監督的な実務」の経験が必要です。

財産的基礎の要件

特定建設業許可については、請負代金の額が8,000万円以上のものを履行できる資力が必要になります。
直前の決算期の財務諸表において以下の内容が判断基準となります。
4つの判断基準を全て満たす必要があります。

  1. 欠損の額が資本金の額の20%を超えていない
  2. 流動比率が75%以上
  3. 資本金の額が2,000万以上
  4. 自己資本の額が4,000万以上

ただし、倒産することが明白である場合は許可は受けられません。

基礎知識(4)許可を受けた後

建設業の許可には、自動車運転免許と同じように期限がきたら更新する必要があります。
自動車運転免許のように優良や一般といった違いは無く、一律に5年間という有効期間があります。
つまり、5年ごとに更新を行わないと許可は失効してしまいます。
ちなみに、更新は有効期間満了の30日前までに申請する必要があります。
有効期間満了日ではないので注意が必要です。
例:令和元年7月1日が許可年月日であった場合、許可満了日は令和6年6月30日となります。
30日前の令和6年5月31日が更新申請書の提出期限となります。
また、毎年の事業年度終了後4か月以内に決算等に関する届出(決算変更届)を行う必要があります。
この決算変更届を行わないと、更新時に更新不可となりますので、注意が必要です。
この決算変更届では、許可の時点では登場しない「主任技術者」についての報告も必要になります。
主任技術者となれる者の要件は基本的には専任技術者と同じです。
では、なぜ2種類の技術者が必要なのでしょうか?
この2種類を簡単に説明します。
専任技術者は、営業所に常駐して設計や見積りなどの事務を行うイメージです。
主任技術者は、現場に出て、工程管理や安全管理などを含めて現場を切り盛りするイメージです。
勘の鋭い方だと、この2種類の技術者を兼任することができないことに気付かれるのではないでしょうか。
実は、ご察しの通り基本的には兼任できないことになっています。
ただし、一人親方など、兼任せざるを得ない状況もありますので、一定の要件を満たす場合は、兼任が許されます。

まとめ

建設業許可について詳しく説明を行ってきました。
しかし、この内容は許可を取得する前に知っておいて頂きたい内容のみです。
いわば建設業許可についての入口にすぎません。
建設業の許可は、取得すれば終わりではありません。
公共工事を元請として請け負うために必要な「経営事項審査」や、各種変更届の中の1つ「決算変更届」について、少しだけ触れましたが、許可取得後に考えなければいけないことが沢山あります。
この点についても、解説していきたいと思いますが、あまりにボリュームがありすぎると読み辛くなることもありますので、建設業の29業種の詳細についてと同様に、詳しい内容は今後の記事で解説していこうと思います。
このように、「建設業許可」は、一言で表すには、あまりにも濃い内容です。
経営業務の管理責任者や専任技術者について、どの要件で経験を証明するかによって、許可を受けるために用意する資料が変わってきます。
また、経営状況や工事の受注履歴を報告する必要もあります。
その為に普段は目にすることの少ない、損益計算書や貸借対照表などの財務諸表とにらめっこすることも必要となります。
慣れない方にとっては、多くの時間と労力が必要な作業だと思いますので、専門家へのご相談をお勧め致します。
とはいえ、各都道府県や、整備局が申請の手引きを用意していますので、手引きに従うことでご自身でも申請自体は可能です。
この記事をご覧の方の中には、許可申請をご自身でされるか、専門家に依頼するかをお悩みの方もおられると思います。
「申請に必要な労力」と「専門家への報酬」を天秤にかけてみた際、この記事が経営的な判断の一助となれば幸いです。
許可申請について、お悩みの方は、各都道府県の申請窓口や、建設業専門の行政書士にご相談頂くことで解決することがあると思います。
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建設業許可取得には5つの要件をクリアする必要があります。

  1. 経営業務の管理責任者としての経験を有する

  2. 営業所ごとに専任技術者を配置する

  3. 請負契約に関して不正又は不誠実な行為をするおそれが明らかな者でないこと

  4. 請負契約を履行するに足りる財産的または金銭的信用を有していること

  5. 欠格要件に該当しないこと


以上の要件を満たして、申請書を記載要項に従って作成すると建設業許可を取得することができます。
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